結婚が遠ざかった大きな理由の一つは、結婚後のライフスタイルのすり合わせが必要になってきたと言う事です。
夫婦の役割分担をどうするのか、という問題。
近年では出産後も仕事を続けたいという女性が増加し、逆に男性は女性にはずっと働いてもらいたいと考えているのに、女性が専業主婦を望んでいるというケースも増えてきています。
現在では結婚後のライフスタイルが画一的ではなくなり、結婚の決断にはそれらのすり合わせが必要となってきました。
交渉が面倒だからと決断を先送りにして、すり合わせしようとしている内にどうしても合わない事がわかり、別れてしまう。
ライフスタイルが多様化した為に、むしろ結婚しにくくなってきたのです。

結婚の決断を鈍らせる、日本ならではの問題とは?
実は、日本に限った事ではなく、このような状況は欧米でも共通して起こってきている問題です。
ですが、日本の場合は更に、結婚の決断を鈍らせるもう一つの大きな問題があります。
それは、「経済的要因」です。
結婚をしたら、経済的余裕がなくなるという、日本独自の問題です。
何故独身の方が経済的に余裕があるのか?
それは親にパラサイト(寄生)している為です。
欧米・・・特にアメリカでは、学校を出た子供は自立し、親の家から出ていくのが当たり前です。
1人より2人暮らしの方が経済的に楽になると、むしろ結婚を促進する方向に働いています。
その為、低収入の人程早く結婚するのです。
つまり、アメリカで1人暮らしをするという事は、高収入者に与えられた「特権」という事が言えます。
更に、多くの独身者はルームシェアによって費用を節約します。
これにより、ルームメイトの紹介等により、出会いの場も増加します。
日本では、1970年頃までは、地方から都市部に出てきた1人暮らしの独身者が多く、結婚した方が経済的に楽になるという状況もありましたが、現在ではパラサイト先の親が裕福となってしまい、結婚して独立すると経済的に厳しくなる、という状況が生じているのです。


この先、自動的、画一的な進展はない
1980年以降、出会い、相互選択、結婚の決断という3つの過程のどのステップにおいても、それ以前まで存在した「自動的」「画一的」な進展というものは期待できなくなってきました。
何もせずに受け身の姿勢でいるだけでは、自動的に出会う事はありません。
魅力格差も拡大する一方で、意欲的に努力しなければ相互に選択される事もありません。
さらに、恋人になったところで結婚が保証されている訳でもありません。
自由市場であるが為に、経済的に豊かになったが為に、大きなハードルが生じてきているのです。
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