まずはデータを見ていきましょう。
就職の自由化がフリーター等を生み出すのと同様に、結婚のルール緩和は多くの未婚者を生み出しました。
2005年の国勢調査によれば、25~29歳までの男性の71.4%、女性の59%は未婚者です。
30~34歳を見ても、男性は47.1%、女性の32%が一度も結婚した経験がありません。
この未婚化の傾向は、まさに就活が活発したタイミングとほぼ同時期、80年代からはじまっているのです。
より詳しくデータを見れば、1975年が皮切りとなって、この時から所謂「非婚化」、「晩婚化」がはじまったのです。
より正確にいえば、次の2つのポイントです。
1.結婚年齢がばらついている中での「晩婚化」
2.結婚したくても出来ない「非婚化」
「晩婚化」が進む日本の婚活
まず、1975年までは大半の人が結婚していたというのみならず、結婚年齢のばらつきがありませんでした。
つまり、ほとんどの人が同じような年齢、具体的には20代半ばで結婚していたのです。
一方、75年以降、平均初婚年齢はどんどん上がっていきます。
これが「晩婚化」と呼ばれる理由です。
しかし、一方で20代初めまたは10代の「できちゃった婚」も増加していきます。
つまり結婚は皆が一斉に似たような年齢でするというものではなくなってきたのです。
統計的に結婚年齢がバラつきだしたのです。
バラつきはじめている中で、全体的に、平均すると遅くなっている。
これは1975年を節目に起こっているのがポイントの一つです。

結婚したくても出来ない人が多い今の婚活事情
もう一つのポイントは、今生じているのは単なる晩婚化にあらず、「非婚化」、それも結婚したくても出来なかったという非婚化です。
50歳の時点で結婚していない人は75年までは2~3%でしたが、2005年現在、男性では15.4%にもなりました。
今後もこの数は増え続け、今の若者の25%以上は一生結婚しないだろうという事が予測されます。これが少子化の直接の原因となっているのです。
結婚年齢が多様化しているだとか、結婚しない人が増加しているという事をいうと、一般的には自分の意志でそうしている人が増加したというように思われがちかもしれませんが、実際には、全くの逆なのです。
結婚年齢がバラつくようになった事で、逆に自分が思ったタイミングで結婚出来るとは限らなくなってきたのです。
就活にしても婚活にしても、自由化が起これば、思い通りにはならなくなる、というパラドクスなのです。
選択肢が増加すれば増加する程、自分の理想の選択が行えなくなる、その結果が今の急激な晩婚化、非婚化の進行として現れてきたのです。


